福祉用具の先にある、暮らしを支える仕事。
森田 茉穂さん 田中 太清さん
ケアネット但馬株式会社
こんにちは。飛んでるローカル豊岡で市民ライターをしている田中里佳です。福井県出身。大学卒業後、約3年の会社員生活を経て”自分の働き方と暮らしを見直したい”思いから転職を決意。縁あって豊岡に移住してまいりました。2024年1月より、「地域コミュニティ組織の伴走支援」をテーマに、地域おこし協力隊として活動しています。
今回取材に伺ったのは、ケアネット但馬株式会社。但馬地域から京丹後市久美浜町にかけて、在宅介護が必要な方のご自宅や高齢者施設へ福祉用具のレンタルおよび販売を行っています。段差の解消や手すりの取り付けといった住宅改修にも対応し、要介護の方が安全に日常生活を送るための環境づくりを支えています。店舗では歩行や入浴、トイレに関する補助具をはじめ、衣類や食事まわりなど日々の暮らしに関わるさまざまな用品が揃えられており、その場で購入できる商品も充実しています。


若手社員のお二人に話を伺いました!

森田 茉穂(もりた まほ)さん
入社3年目。22歳。豊岡市出身。福祉系の高校を卒業後、介護施設での勤務を経てケアネットに入社。

田中 太清(たなか たいせい)さん
入社1年目。22歳。豊岡市出石町出身。鳥取県の専門学校でリハビリテーションについて学ぶ。就職を機にUターンし、ケアネットに入社。
福祉の仕事と地元就職を選んだ理由

- 森田
- 看護・福祉を専門とする地元の高校に通い、卒業後に介護福祉士として介護施設で働いていました。ただ、その職場はシフト制だったこともあり生活リズムが合わなくて。ハローワークで次の職場を探していた際、紹介してもらった企業の一つがケアネットだったんです。
- 田中
- 僕は鳥取の専門学校でリハビリテーションを学んで、卒業後に就職のため豊岡に帰ってきました。就職活動の際に豊岡市役所の就職相談窓口である「ジョブ・サポ豊岡」で相談し、ケアネットを紹介してもらいました。
- 森田
- 中学生の頃、一緒に暮らしていた祖母が亡くなって。入院中は介護職員の方が付きっきりで祖母のケアをしてくださっていたんですが、その様子を近くでずっと見ていて私も誰かを支える仕事がしたいなと思うようになりましたね。
それに、親戚に年の離れた小さな子がいてよく一緒に遊んだり面倒を見たりしていたこともあって、人の世話をするのはもともとあまり苦じゃないなとも感じていました。
- 田中
- 学生時代は部活で剣道をしていて、膝を痛めたときに整体に通っていたんですが、スタッフの方がとても明るく接してくださって。リハビリは体だけでなく心のケアにもつながっているんだなとそのときに感じて、誰かを支えることを一つの仕事として意識するようになりましたね。
あと、高校2〜3年の頃に「これからは多くの仕事がAIに取られる」というような記事を見て、福祉や医療の分野ならAIに取られないんじゃないかなってふと思ったんです(笑)。
- 森田
- 私の中では”都会は遊びに行くところ”という感覚があって、お金もかかるし生活する場所としてはあまりイメージが湧かなかったですね。豊岡は不便に感じることもありますが、地元に残っている友人もいるので退屈じゃないです。
- 田中
- 僕、こう見えて意外と堅実なところがあって(笑)。働きながら一人暮らしを続けた場合のコストも考えたときに、それならもう少し余裕を持ってのびのび暮らしたいなと思って地元に帰ることを決めましたね。
ケアネットの仕事に迫っていきます!

- 森田
- 1日の流れとしては、社員それぞれが担当している訪問先に福祉用具を運び、必要に応じて取り付けを行います。あらかじめケアマネジャーの方から、介護を必要とする方にどのような用具が必要か連絡をもらい「退院までに搬入してほしい」「病院で試したい」といったニーズに応じて用具を搬入しています。また、場合によっては私たちも病院での話し合いの場に参加してどのようなケアが必要かを一緒に考えることもありますね。
- 田中
- 小さい用具であればその場で試してもらえるように何種類か持っていくようにしています。ベッドの場合は分解した状態で積み込んで、搬入後にその場で組み立てています。
搬入先は入り組んだ場所や道幅が狭いところも多いので、事前に先輩に聞いたり地図を確認したりしてなるべくリサーチしてから向かうようにしていますね。

- 森田
- 介護が必要な方のご自宅に手すりを取り付けることになり、事前に寸法を測っていたのですが、いざ取り付けてみると少し長くて合わなかったことがあったんです。接続部分の寸法を測り忘れてしまったようで…。
そのときは社長に来てもらい、ご家族の了承を得たうえで手すりを切ってぴったり取り付けることができました。ご家族の方が見守るなかで自分ではなかなか判断できなかったので、本当に助けていただいたなと感じています。
- 田中
- 事前に道路状況を調べて現場に向かったのですが、思っていた以上に道幅が狭かったときがありました。「これ以上進んだら引き返せないな」という状況だったので、近隣の方のご迷惑にならないように少し離れた場所に車を停めて。そこからベッドのパーツを抱えて何往復かしながらやっとの思いで搬入しました。真夏のことだったので本当に大変で、今でもよく覚えています(笑)。
訪問先での和やかなひととき。

朝礼を終え、それぞれの訪問先へと車を走らせるお二人。1軒の訪問にどれくらいの時間がかかるのか伺うと、「用具の搬入や取り付けのみで30分ほどで終わる場合もあれば、長いときには2時間ほどかかることもあります」とのこと。
ベッドのような大きな用具を運ぶためだろうかと思い、その理由をさらに伺うと、「訪問先の元気なおばあちゃんが、たくさんお話ししてくださるからなんです」と笑顔で教えてくださいました。「コーヒー出すから待って」と声をかけられたり、「あんたにしか言えへんのやで」とちょっとしたグチを打ち明けられたりすることも。
そんなときには、時間が許す限りお話に耳を傾けているというお二人。ただ用具を運ぶだけではなく、訪問先の方とのコミュニケーションも大切にしていることが会話の一つひとつからうかがえました。
豊岡で働く、豊岡で暮らす。

- 森田
- 休日には京阪神まで出てライブに行くこともありますし、仕事終わりに友だちと温泉に行くこともありまね。これからの時期は休日に家の田植えの手伝いをしています。手伝わないと食べさせてもらえないので(笑)。でもありがたいことに、これまでお米を買ったことがなく家で作った美味しいお米を食べることができるんですよね。
- 田中
- 夏は竹野浜に行ったり冬は神鍋でスキーをしたりと、地元にいながら豊岡を満喫していますね(笑)。あとは、地元の出石で観光客に混じって出石そばを食べることもありますし、最近はカフェも増えていてふらっと立ち寄ることもあります。
- 森田
- 仕事終わりでも気軽にふらっと温泉に行けるのはやっぱりすごいなと思います。城崎の温泉や竹野の北前館、神鍋の温泉など豊岡だけでもたくさん。空気もおいしくて居心地のいい場所だと思います。
- 田中
- 豊岡に帰ってきて改めて感じたのは「ごはんがおいしい」ということです。おすすめのお店もたくさんありますし、何よりお米が美味しいんです。
それに、車を少し走らせれば観光地にも行ける。近すぎず遠すぎずのちょうどいい距離感です。車は必要だけど運転が好きな人にとってはとても暮らしやすい場所ですね。
【インタビューを終えて】

ケアネットさんにお世話になるタイミングというのは、その方にとって暮らしが変わる、不安を感じる節目でもあるのだと思います。そんなときに、このお二人がサポートしてくれたらきっとその不安も少し和らぐのではないかと、取材を通して感じました。ただ福祉用具を運ぶのではなく、その先にある暮らしが安心して安全に過ごせるものであるように。その思いがふとした会話や表情から伝わってきました。これからのお二人のご活躍を陰ながら応援しています!
撮影:トモカネアヤカ




































