「但馬同期会」但馬で働く新入社員たちの絆づくり - TOYOOKA WORK STYLE(ジョブナビ豊岡)

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2021.03.30

「但馬同期会」但馬で働く新入社員たちの絆づくり

但馬同期会

「FM ジャングル」のパーソナリティ&「飛んでるローカル豊岡」の市民ライターをしている田上敦士です。城崎で生まれ育ち大学進学で上京、大阪の放送局に 30 年余り務めた後、昨年春に早期退職して豊岡に帰ってきました。

私が高校を卒業したころには、但馬から都会の大学に進んだら、継ぐべき家業がなければそのまま都会で就職するのが当たり前でしたが、時代は変わり、今では但馬にも「Uターンして就職する先」として考えられる企業が増えました。それどころか、他の地方から但馬に就職のためにやってくる人も珍しくありません。
とはいえ、ただでさえ心細い社会人 1 年生、慣れない土地で「新人」としての悩みを打ち明けられる相手がいないままでドロップアウトしてしまう人もいるようです。そこで、但馬銀行が 4 年前から「但馬同期会」というプロジェクトを始めました。但馬の企業の新入社員が、企業の枠を超えて「同期生」として集まり、懇親を深めながら社会人としてのスキルアップを図ろうという試みです。

「但馬同期会」但馬で働く新入社員たちの絆づくり

第 4 期となる今年度は、14 の企業から約 30 人の新入社員が集いました。地元の高校を卒業して就職した人、大学を卒業してUターンしてきた人、但馬以外からやってきた人など様々なメンバーが、ほぼ月 1 回、年間で 10 回の集まりをもち、講演やレクリエーション、さらにチーム単位でのプレゼンテーションなどを通じて仲間との絆を深めてきました。今年度はコロナ禍の中での開催となったため、活動にも制約を受け、「定例会とは別に自主的に集まって懇親を深める」というようなこともできなかったのですが、それでも参加メンバーにとっては得るものは大きかったと思います。

「但馬同期会」但馬で働く新入社員たちの絆づくり
(「しくじり先生」としてエピソードを話す但馬銀行・中島さん)

取材に伺ったのは、2月15日に行われた第9回。この日の前半は、幹事役を務めている但馬銀行但馬営業部の中島課長が、自身の新人時代の“しくじり”を題材に、自分の性格を踏まえた行動や職場環境への適応の仕方などを、銀行の裏話も交えてユーモラスに振り返りました。そして後半は、次回の最終回に各自がおこなう「目標宣言」の準備作業です。社会人 1 年目を振り返ったうえで、今後のキャリアをイメージして目標を設定し、そこに向けて具体的な行動計画を作っていくというグループワークです。

「但馬同期会」但馬で働く新入社員たちの絆づくり
(真剣に話を聞く佐藤さん(左)・西下さん(右)ら)

終了後、約1年間の「但馬同期会」の活動をどう感じたか、参加者の中からお二人に話を聞きました。

株式会社徳網建設 西下男児さん(豊岡総合高校卒)

豊岡市出身で、建築現場で施工管理の仕事をしています。ここではいろんな会社の人の話を聞けたのがよかったです。社会に出て、こういう機会はなかなかないですから。お金とか、保険、車のことなど、きっとこれからの人生で役に立つと思いますし、ひょっとしたら仕事の上で接点を持つことがあるかもしれません。そういった話を聞けるのが、この但馬同期会の一番いいところだと思います。
一番印象に残っているのは、自分の会社や地元の魅力を中学生に向けて伝えるプレゼン大会でした。普段は、大勢の前で自分の意見や考えを伝えるということはほぼないので、なかなかできない体験でした。一緒に組んだ但馬銀行の新入社員をはじめ、みんなにいろいろ教えてもらい、自分が成長できたと実感しています。
ただ、やはりコロナの影響で、定例会以外の集まりができなかったのは残念でした。そういう場で、もっと中身の濃い話ができるんじゃないかと期待していたので…これからそういう機会がもてるかどうかわからないですけど、何年か経って、自分の素直な思いを出し合える場が作れたらいいなと思います。

株式会社ユラク 佐藤玖実さん(神戸市出身・関西学院大学卒)

神戸市出身で、今は城崎の旅館でゲストサービスを担当しています。もともと旅館やホテルを志望していて、城崎温泉の雰囲気に惹かれて但馬にやってきました。入社してすぐにコロナの影響で旅館が一斉休業になってしまいましたが、今はすっかり仕事にも慣れました。
但馬同期会では、知らない会社の話を聞くことができたのが大きいです。いつも家で使っているお酢を作っている会社の人がいて、すごく身近に感じることができました。プレゼン大会では、他の会社の仕事のことやメンバーが感じているやり甲斐などを聞いて「自分もがんばろう」とモチベーションが上がりましたし、他の人のプレゼンを受けて「ちょっとした言い方や仕草や雰囲気で受ける印象がずいぶん変わる」のに気づいたことは、接客の仕事の上でもとても役に立っています。
但馬同期会の1年間はあっという間で、とても楽しかったです。せっかくみんなと出会って仲良くなれたので、今後もこの縁を大切にしていきたいですね。

「但馬同期会」但馬で働く新入社員たちの絆づくり
(佐藤さんと西下さん)

そして3月18日、今年度最後の「但馬同期会」では、メンバーそれぞれが社会人としての目標と、「資格の取得」「業務スキルの向上」など目標達成のための具体的な行動を発表。事務局から記念品を贈られ、1 年間の活動を終了しました。

「但馬同期会」但馬で働く新入社員たちの絆づくり

記念写真に納まるメンバーたちは、まるで学校の卒業式を終えた後のようでした。その笑顔からは、1 年間で培われた固い絆がうかがえました。

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