地元密着スーパーで働く、新入社員の素顔に密着!
中村 駿大さん 土肥 碧天さん
株式会社さとう
2025年入社
〈取材当時(2025年6月)はフレッシュバザール日高パーク店で研修中〉
こんにちは。飛んでるローカル豊岡で市民ライターをしている田中里佳です。福井県出身。大学卒業後、約3年の会社員生活を経て”自分の働き方と暮らしを見直したい”思いから転職を決意。縁あって豊岡に移住してまいりました。2024年1月より、「地域コミュニティ組織の伴走支援」をテーマに、地域おこし協力隊として活動しています。
今回取材に伺ったのは、株式会社さとう。1666年(寛文6年)に古着商として創業した350年以上の歴史をもつ企業です。その後は呉服商や質商、銀行業、不動産業など、時代の変化に合わせてさまざまに業種を変化させながら現在は、京都府・兵庫県・大阪府・福井県を中心に総合スーパーや食品スーパーマーケット、ホームセンター、レストランなど多彩な業態を展開しています。最近では京阪神エリアへの出店も進め、近畿全体に広がる店舗ネットワークの実現をめざして事業を展開しています。

新入社員のお二人にお話を伺いました!

中村 駿大(なかむら しゅんだい)さん
2025年4月入社、22歳。豊岡市出身。島根県の大学で農業土木を学ぶ。在学中は建築業界や公務員を目指す同級生が多いなか、専攻にとらわれず幅広い視野で就職活動を行い株式会社さとうへ。大学2年の頃から就職活動を始めるなど、計画性をもって行動する几帳面な性格。仕事で落ち込んだときは、休憩スペースでお茶を飲みほっと一息つく時間を大切にしている。

土肥 碧天(どひ あおい)さん
2025年4月入社の22歳。豊岡市出身。大阪府の大学で西洋史を学ぶ。在学中は教師を目指す同級生が多いなか、「自分は他の仕事の方が合っているんじゃないか」という思いから進路についてじっくり考えて就職活動を進めた。親が勧めてくれた企業説明会をきっかけに株式会社さとうに応募。落ち着いた性格で、物事に動じない柔軟さが持ち味。
インタビューに伺ったときは、入社してすぐに始まる店舗研修の真っ最中。青果、鮮魚、惣菜、グローサリー(加工食品)、レジなど、様々な部門をおよそ数週間のジョブローテーションで経験し、その後正式配属へと移行します。


Uターン就職を決めた理由とは?

- 中村
- 当時、就職先としては大学のある島根県、地元の但馬地域、それから親戚のいる福井県を視野に入れて考えていました。大学2年の3月に初めてインターンシップに行って、その後も説明会に行くなどして情報収集を続けました。最終的に豊岡を選んだのは、やはり地元にいるほうが家族に何かあった時に駆け付けやすいかなと思ったからですね。
- 土肥
- 僕の場合は、就職先は但馬地域か広くても関西圏だったらいいかなあとぼんやり考えていました。ただ、都会で満員の通勤電車に乗るのはいやだなと思って。それならよく知っている地元のほうが生活しやすいと思い地元を選びました。それに、遊びに行こうと思えば神戸や大阪までそれほど時間もかからないので。
現在の職場を選んだ理由
- 中村
- スーパーマーケットは生活に欠かせないという点で、人の暮らしのなかにある存在意義のようなものを感じました。加えて、特に店舗で働いていたらお客様と直接お話しする機会がたくさんあるという点が決め手になったのかなと思います。
- 土肥
- 「さとう」といえば地元では知らない人がいないくらいの存在で、その安心感は大きかった気がします。それと、人と関わる仕事がいいなという気持ちはずっとあって。居酒屋でのアルバイト経験もあったので、一人ひとりとじっくり向き合うというより、もう少し広くいろんな人と関われる環境のほうが自分には合っているのかなと。そういった点で、自分の中で自然と「ここかな」と思えたのが決め手だったのかもしれません。
- 中村
- 入社前はお客様ともっとゆっくりコミュニケーションが取れるかなと思っていたのですが、混雑しているときはスピード感を意識した接客が必要な場面もあります。でも、その中でも丁寧さは大切にしています。実際に働いてみると商品の持ち方や台車の引き方など細かい決まりごとがあって、効率よく動くための工夫がたくさんあることに気づきました。
- 土肥
- 正直に言うと、想像していたよりもしんどくないなと思っています。まだ研修期間ということもありますが。居酒屋でのアルバイト経験があるせいか金曜の夜みたいにめちゃくちゃ混むピークの時間が続くのを覚悟していたんです(笑)。もちろん混む時間帯もありますけど、そうでない時間帯もあって体力的にはそこまで疲弊しないなと感じています。
二人が考える、株式会社さとうの強み

お二人に、数あるスーパーの中で「さとう」がもつ強みについて伺いました。
「350年以上の歴史があり、地元に根付いていること。そして、“Everyday Low Price”を掲げてできるだけ低価格で商品を提供しているところ」と答えてくれたのは中村さん。その回答を聞いて、「全部言われてしまった」とばかりに腕を組んで悩む土肥さん。そこで質問を変えて、「土肥さんがさとうの商品で一番好きなものは?」と聞いてみると、「それはもう、きなこクロワッサンですね」と即答。品揃え豊富な自社開発の商品も、さとうの魅力のひとつ。入社して間もないながらも、お二人それぞれの視点から地元に根ざした企業としての強みを教えてくれました。

性格が対照的な二人の休日。

現在は店舗研修のローテーションに合わせて、それぞれの部門の方針に沿いながら休暇を取っているというお二人。休日の過ごし方について伺ってみると、“アウトドア派”の中村さんと、“インドア派”の土肥さん、それぞれにぴったりなリフレッシュのかたちが見えてきました。
- 中村
- 就職を機に車に乗るようになって、休日はふらっとドライブに出かけることが多くなりました。京丹後方面に行くこともありますし、先日は福井県の小浜市まで足を延ばしてみました。普段と違う景色を見るだけでもいい気分転換になりますね。あ、もちろん家で寝て過ごす日もありますよ(笑)。そのときどきの体調や気分に合わせて休日の過ごし方を決めています。
- 土肥
- 休日はたまに買い物に出かけることもありますが、ほとんどは家でゆっくり過ごしています。YouTubeを見たり、ゲームをしたり、寝たりしていることが多いですね。そんな特別なことはしていないです(笑)。
二人が考える「これからの目標」

- 中村
- まずは目の前の仕事をしっかりと覚えるというところですね。分からないことがあれば社員やパートの方に聞きながら、日々積み重ねていくしかないと思っています。でも、“頑張りすぎない”ことを意識しながら自分のペースで成長していけたらいいなと思っています。
- 土肥
- 僕も“頑張りすぎない”ことは中村さんと共通して意識しているところですね。入社してすぐの頃は、「いないより、いたほうがマシ」と思ってもらえる存在になることを目標にしていました。今はそこから少しレベルアップして、「いたらいいな」と思ってもらえるような存在を目指しています。“いないより…”よりはちょっと前進できているかなと(笑)。
【インタビューを終えて】

今回の取材では、中村さんと土肥さん、それぞれの対照的な性格やお人柄が光りました。「堅苦しくなってしまうのですが…」と話す中村さんに対し、「中村さんみたいにしっかりしてないのですが…」と笑う土肥さん。そんなやりとりのなかにも、お二人が自分らしいスタイルで新生活に踏み出し、現在の研修に前向きに取り組んでいる様子が伝わってきました。また、取材後に店内で撮影を行った際にはお客様の買い物の邪魔にならないよう配慮する場面も。地域に愛され続ける会社の一員としての心構えが備わっていることが感じられました。今後のお二人のご活躍をバザールでお買い物しながらそっと応援しています。
撮影:トモカネアヤカ