豊岡の特産「かばん」をデザイン
中西 恵里奈さん(なかにし えりな)
松下ラゲッジ株式会社
2017年入社
出身大学 奈良教育大学教育学部美術教育専修
趣味 旅行(国内外)
鮮やかなブルーの壁、イエローの縁取りをした大きな窓からは太陽の光がたっぷりと差し込んでいる。『松下ラゲッジ株式会社』のデザイン工房は、いかにもクリエイティブな仕事に似つかわしいしつらえの、洗練されたスペースだった。
人懐こい笑顔が魅力の中西恵里奈さんは、ここでデザイナーとして働いている。目標に向かって仕事に励む一方、「新幹線を通してほしい」と、笑いながら田舎暮らしの難点を訴えるユーモアにも好感が持てた。
- 中西
- 半分くらい、ありました。奈良、大阪、京都、神戸での就職を視野に入れつつ、地元企業も見てみようかな、と。もともとデザイン系の仕事がやりたかったので、業種で調べてピックアップしていきました。
- 中西
- 大阪で開催された但馬の企業説明会に参加したら、かばん関連の企業が3社ブースを出していました。でも、デザインの仕事があるのは松下ラゲッジだけだったんです。
- 中西
- 選考が進むにつれて、「もう就活いいかな」という投げやりな気持ちにもなり(苦笑)。豊岡はよく知った街だし、出身地の特産に関わるのもいいんじゃないか、という気持ちが強くなっていきました。
- 中西
- ありましたね。
- 中西
- 奈良もそれほど都会ではないけれど、出石よりはずっと都会です。
そういう都会風の場所に長くいると、今度は、少し出石が恋しい気持ちも出てきて。今は情報化社会だし、田舎にいてもなんとかなる!と思って(笑)。
- 中西
- 思った以上にド田舎だな、と常々思っているんですけど(笑)。新幹線を通して欲しいです(笑)。
- 中西
- ご飯がある(笑)。学生時代は自炊をしていましたけど、部屋はキッチンも狭くて、料理をする気にもあまりならなくて。近くにあるコンビニやファストフードばかり。それもあって、実家に帰りたい気持ちになった、というのも少しありますね。あと、やっぱり過ごしやすさ。人混みに紛れないとか。
- 中西
- 学んでいません。なので不安がありました。特に、かばんの機能的な部分のデザインに関しては、1から勉強だなと思っていました。ただ、就活をしている時に、松下ラゲッジでは教育教材(小学生が使用する副かばんなど)のデザインで絵やイラストにも関われることを知り、興味が増したんです。もともとイラストを描くのが好きで美術系の大学に行ったので 、それが活かせたらいいなと思いました。
- 中西
- 思っていたより、気張らないというか。大人って、もっとみんなしっかりしていて、全員が仕事に対してプロフェッショナルにこなしている、というイメージがあったんです。でも考えたら、どこにでも1年生や初心者はいるわけですよね。みんな、悩んだり手探りでやっていたりする面もあるんだなと、気づきました。会社に入ったからといって、急に大人になるわけじゃないんだ、と。
- 中西
- 各部署に短期間ずつ所属して、どの部署がどんな仕事をしているのかを知るような研修がありました。
- 中西
- 自分でデザインしたものが商品化されることです。今は、教材をメインにやらせてもらっています。毎年デザインが変わるんですけど、その時々の流行にも気を配りながらデザインをして、教材を製作する会社のプレゼンにエントリーをして、ひとつの枠を勝ち取らなくてはならないんです。
- 中西
- まさに、そうです。
- 中西
- 私が今やっている教材部門の仕事は、あらかじめ決められた型があって、そこにデザインを提供することです。でも、かばん作りの本質は、0から生み出すことにあると思うので、それをひとりでできるようになりたいです。かばんの仕組みもまだ全然理解できていない状態なので、勉強しなくてはいけないんですけど。
- 中西
- 豊岡にしろ、そうでないにしろ、納得いくまで吟味した方がいいです。視野を広げて、ここもあそこも、と調べて欲しいし、気になるところは面接まで行って欲しいですね。ウェブサイトに載っている情報だけでは、そこでどんな人が働いているかはわからないですから。企業の合同説明会で話をしてくれた方や面接をしてくださった方など、その会社で働く方々から受ける印象で、会社の印象は決まっていきます。そして就活生は「この人と一緒に働くのかな」と、想像をします。そんな想像も巡らせながら会社を吟味した中で地元の企業が選択肢に残ったなら、「帰ってきな!」って言ってあげたいです(笑)。
松下ラゲッジ株式会社
設立 1940年(設立 1993年)
本社 兵庫県豊岡市
事業内容 バッグ、ラゲッジ、小物の企画デザイン製造
社員平均年齢 37歳
松下ラゲッジ株式会社の企業情報はこちらをご覧ください。