若手社員に聞く!進化し続けるモノづくりの現場 - TOYOOKA WORK STYLE(ジョブナビ豊岡)

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2025.02.10

若手社員に聞く!進化し続けるモノづくりの現場

山下 秀斗  杉本 この美

株式会社土居工作所

こんにちは。飛んでるローカル豊岡で市民ライターをしている田中里佳です。福井県出身。大学卒業後、約3年の会社員生活を経て”自分の働き方と暮らしを見直したい”思いから転職を決意。縁あって豊岡に移住してまいりました。2024年1月より、「地域コミュニティ組織の伴走支援」をテーマに、地域おこし協力隊として活動しています。

今回取材に伺ったのは、株式会社土居工作所です。兵庫県但馬地方に拠点を置き、50年以上の歴史を誇る老舗精密部品製造会社。高度化・自動化・IT化を推進し、複合加工機を用いた一貫生産で高い評価を獲得しています。さらに多関節ロボットを導入し、全製品の自動生産を目指して研究開発に取り組む、進化し続ける企業です。今回は、そこで働く2名の若手社員にインタビューしました。

若手社員に聞く!進化し続けるモノづくりの現場
若手社員に聞く!進化し続けるモノづくりの現場
本日はよろしくお願いいたします!まずはお名前とご年齢、出身地、年次を教えてください。
若手社員に聞く!進化し続けるモノづくりの現場
山下
山下秀斗(やましたひでと)30歳です。出身地は豊岡で、入社2年目です。
若手社員に聞く!進化し続けるモノづくりの現場
杉本
杉本この美(すぎもとこのみ)29歳です。出身地は豊岡で、入社1年目です。
ありがとうございます。お二人は普段、どのようなお仕事をされていますか?
若手社員に聞く!進化し続けるモノづくりの現場
山下
会社の特徴でもある金属加工を機械を使って行っています。実際に機械を動かす前には、プログラミングや作図といった作業が必要です。お客様から「こういうものを作ってほしい」といった図面が届き、それを元に設計やプログラムを作ります。それを機械に入力して、狙い通りの形に加工していきます。それ以外にも、機械で加工する予定を自分で調整することもありますね。1週間先、1ヶ月先といった予定表に沿って作業を進めています。
若手社員に聞く!進化し続けるモノづくりの現場
杉本
機械そのものは山下さんとは違うものを使っていますが、全体の流れとしては同じで、機械を使って金属を加工する仕事をしています。
山下
受注の前段階として、「これを作ってほしいけど、どれくらいの値段でできますか?」という見積もり依頼が来ます。僕たちはその製品に対して、どのくらい加工時間がかかるか、どの加工方法を取るか、どんな工具が必要かといった情報を整理して営業の方や事務職の方に伝えます。最終的には営業の方が見積もりをお客様に提出しますが、そのための情報を提供することも業務の一つです。
機械の操作だけでなくさまざまな作業があるのですね。会社で作っている製品は、実際にどのようなところで使われているのでしょうか?
山下
大まかに言うと、様々な機械や物の部品を作っています。例えば、新幹線の部品や、働く車と言われるような特殊な車両の部品ですね。あと、エレベーターやエスカレーターの部品なんかもあります。
杉本
その他に、自分たちが使っている機械の部品を自分たちで作ることもあります。
それはすごいですね!

豊岡出身のお二人。地元へのUターンのきっかけについてお聞きしました。

若手社員に聞く!進化し続けるモノづくりの現場
会社の本棚にはさまざまなジャンルの本が並び、社員は自由に借りて読むことができます。
Uターンしようと思ったきっかけや、経緯について教えてください。
山下
高校卒業後、岐阜県の専門学校で自動車整備士の資格を取り、その後兵庫県に戻って4年間整備士として働きました。その後、京都府の製造業に転職し、最初の2年は社宅から通勤、結婚を機に地元の出石に戻ってさらに2年通勤しました。最終的には地元で働くことを選び、今に至ります。
杉本
私は出石町で高校を卒業した後、京都で調理の仕事に就きました。調理の仕事も楽しかったんですが、サービス業からもっとものづくりに近い仕事がしたいと思い、製造業に転職しました。地元に戻ろうと思ったのは、やっぱり実家が近い方が落ち着くと感じたからですね。
ありがとうございます。お二人が、地元企業の中でも土居工作所さんを選んだ決め手は何だったのでしょうか?
山下
僕の場合、転職を決めた後、出石や豊岡市内で通える場所を半年くらいかけて探していました。その中で、たまたまジョブナビ豊岡で土居工作所の募集を見かけたんです。元々、自分の生まれ育った出石で働きたいという思いはどこかにあったんですが、「これだ」と思える会社がなかなか見つからず悩んでいました。ただ、土居工作所の紹介文に「異業種から転職してきた人が第一線で活躍している」と書いてあったのを見て、自分にもできるかもしれないと感じたのが大きなきっかけです。最初は専門的な知識が必要そうだと感じて敬遠していたんですが、その文章を読んで「挑戦してみよう」という気持ちになりました。
杉本
私も山下さんと同じように、未経験でもチャレンジできる環境だと思いました。また、機械を触るだけでなく、先ほど言ったようにCADを使って設計にも関わることができ、幅広い仕事に携わる点がとても面白そうだと感じました。実際に見学に来てみると、職場の雰囲気も良く、働きやすそうだと感じたので、ここを選びました。
実際に入ってみて、会社の雰囲気はいかがですか?
杉本
実際入ってみると、みんな優しくて、質問もしやすい環境が整っていると感じます。技術を持った先輩方もたくさんいらっしゃるので、安心して働くことができています。
山下
そうですね。僕が以前働いていた製造業の会社と比べると、雰囲気が明るいですね。規模は小さい会社ですが、その分、個々が光っているというか、少人数だからこそ、みんなが節度を持ちながらも楽しく働いている感じです。明るい雰囲気があるので、働きやすいなと感じます。
若手社員に聞く!進化し続けるモノづくりの現場
実際に使用している機械の模型。それぞれ名前が付けられおり、その名付け親は社員が順番に担当します。
入社してすぐの頃、大変だったことはありますか?
山下
僕の場合、前職も製造業だったので似た部分もありましたが、未経験の分野が多くて大変でしたね。特に旋盤の操作や加工に必要な知識を身につけるのが難しかったです。また、以前は現場作業が中心だったんですが、今はパソコンを使った見積もりやプログラム作成のデスクワークも増えました。これに慣れるのが結構大変で、今も苦労しています。
杉本
私は製造業が全くの未経験で入社したので、基礎知識がない状態からのスタートでした。覚えることが多くて、最初は機械の特性もよくわからないままマニュアル通りに操作している感じで、本当に怖かったですね。工具や機械の名前を覚えるのも大変で、最初はどれも同じに見えてしまって。今も覚えることが多いですが、少しずつ慣れてきました。
なるほど。具体的に、どんな方法で仕事を覚えていきましたか?
山下
基本的には先輩に教えてもらいながら、メモを取ったりして覚えました。でもやっぱり失敗が多くて、トライアンドエラーで身につけていった感じですね。特にプログラムのミスで工具がぶつかったり、壊れてしまうことが何回かありました。そういう時でも、先輩や社長はとても優しかったです。先輩は叱るというよりフォローしてくれて、社長も「新しいのを買えばいいよ」と言ってくれて。本当に助かりましたね。
杉本
私も同じように、先輩に頼りながら覚えていきました。最初はとにかく失敗しないように慎重でしたが、実際には何度もミスして、そのたびに学んでいます。ドリル一つ取っても種類がたくさんあって、見分けるのが本当に大変でしたね。同じように温かい環境だと感じます。失敗しても許される雰囲気があるので、そのおかげで少しずつ成長できています。
仕事をする中で、やりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?
山下
僕は物を作る仕事そのものが好きなんです。自分で図面を描いてプログラムを作り、実際に機械で加工して、自分が思った通りのものができあがった時の達成感は本当に大きいですね。「自分がこれを一から作ったんだ」と実感できる瞬間がやりがいです。まだ周りと比べると未熟な部分もありますが、それでも形にできた時の喜びは特別です。
杉本
大変なことも多いし、覚えることもたくさんあります。でもその分、新しい知識をどんどん吸収していけるところがやりがいですね。覚えても覚えても次があるので、長く続けてもモチベーションを高く保てるのが嬉しいです。
まだ話していない会社の魅力はありますか?
山下
会社の魅力の一つは、共通の趣味を持つ人が多いことですね。例えば車やバイク、プラモデルなど、いろんな趣味を楽しんでいる人が意外と多くて、共通の話題で盛り上がることができます。年代も幅広くて、若い世代から50代くらいの方までいますが、世代を超えて話が合うので、休憩時間も自然と会話が弾み、いい気分転換になっています。そういう雰囲気があるので、リラックスしながら仕事に取り組めるのが魅力ですね。
杉本
仕事のスタイルも魅力の一つだと思います。基本的には1人1台の機械を担当するので、自分のペースで作業に集中しやすいです。でも、困ったときには周りに相談しやすい雰囲気があって、休憩中はリラックスして話ができるので、オンとオフのメリハリがしっかりしています。作業内容も、パソコンと機械の操作がバランスよく組み合わさっていて、無理のないように調整しやすいです。重たいものを扱う場面ではリフトなどの補助機械があるので、負担がかかりすぎることもありませんし、周りのサポートもあるので、一人で抱え込むことなく安心して働ける環境だと思います。
若手社員に聞く!進化し続けるモノづくりの現場
リノベーションされたくつろぎの空間。社長こだわりの椅子が並んでいます。
若手社員に聞く!進化し続けるモノづくりの現場
会社の魅力がよく伝わってきます。お二人は、休日はどのように過ごされているのですか?
山下
上の子が2歳で、7月には下の子が生まれたばかりなので、家族と過ごす時間が増えました。息抜きといえば、家族みんなで出かけたり、散歩したりしますね。遠出はまだ難しいですが、少し足を延ばして竹野浜や、新温泉町の牧場公園に行くこともあります。豊岡市周辺は山も海もあって自然が豊かなので、家族で楽しめるスポットがたくさんあります。
杉本
土日は父のバイクを借りて近所を走ることが多いですね。この辺りは田んぼが多く、開けた景色が広がっていて、走っていてとても気持ちがいいです。散歩も好きで、のんびり歩いて気分をリフレッシュすることもあります。
ありがとうございます。では最後に、Uターン、Iターンを考えている人へメッセージをお願いします。
山下
UターンやIターンを考えている方には、ぜひこの会社に挑戦してみてほしいです。仕事は最初は覚えることが多いですが、働きやすい職場環境が整っていますし、ものづくりが好きな方やこれから挑戦したいという方にはぴったりだと思います。また、自然豊かで暮らしやすい環境の中、空調が整った快適な職場で働けるのも魅力です。会社自体が少しずつ成長していて、これからさらに面白くなっていく過程に参加できるのは、とてもやりがいがありますよ。
杉本
そうですね。仕事の現場はもちろん、会社全体の雰囲気が堅苦しくなく、リラックスして働けるのもいいところです。イベントや日常の中でちょっとした楽しみがあるのも、この会社の魅力だと思います。ぜひ一度見学に来て、雰囲気を肌で感じてみてください。
本日は、貴重なお時間をいただきありがとうございました!

【取材を終えて】

若手社員に聞く!進化し続けるモノづくりの現場
カメラにピースサインで応えてくれた小田垣智哉社長

製造業と聞くと、どこか堅い雰囲気を想像してしまいがちですが、お二人のお話を伺い、その印象が大きく変わりました。若手社員ならではのエネルギーに溢れ、困ったときには仲間に気軽に相談できる、和やかな雰囲気がとても印象的でした。

取材を終えて帰る際、代表取締役社長の小田垣智哉さんと少しお話しする機会をいただきました。「新しい機械の搬入前日に、前夜祭としてすき焼きを囲むイベントを開催した」というエピソードを伺い、心がほっこりしました。「お店に行けば準備はすべて店員さんに任せられますが、会社で開催することで経験値を積んで、家族や友人と遊ぶ時にチャキチャキ動ける頼もしい存在になってほしい」という想いが込められているそうです。「楽しいことをしたい」という社長自身のエネルギーと温かい雰囲気が、会社全体に広がっているのだと感じました。現場の社員の平均年齢は30歳と、製造業ではなかなか無い若さ、さらに春には2名の入社が決まっているそうで、若い人が集まって来ている会社のようです。

これからの土居工作所さんのさらなるご活躍を、とても楽しみにしています。

撮影:トモカネアヤカ

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