地元で叶えた幼い頃の夢―介護の現場で支える喜び
立脇 愛美さん(たちわきまなみ) 33歳
株式会社にしがき 介護事業部
Uターンした年齢 20歳
2011年入社
こんにちは。飛んでるローカル豊岡で市民ライターをしている田中里佳です。福井県出身。大学卒業後、約3年の会社員生活を経て”自分の働き方と暮らしを見直したい”思いから転職を決意。縁あって豊岡に移住してまいりました。2024年1月より、「地域コミュニティ組織の伴走支援」をテーマに、地域おこし協力隊として活動しています。
今回取材に伺ったのは、株式会社にしがき 介護事業部です。2006年10月に介護事業をスタートし、豊岡市内に、2007年「にしがき豊岡若松町デイサービスセンター」、2010年「にしがき豊岡グループホーム」を開所。その中でもデイサービスセンターで生活相談員として働く立脇愛美さんにお話を伺いました。
- 立脇
- やっぱり地元がいちばん落ち着くと感じていたので、自然と地元で働くことをイメージしていました。小さい頃から「介護の仕事がしたい」という夢があり、そのために介護を学べる短大に進学しました。
- 立脇
- 介護の仕事に興味を持ったのは、小学生の頃でした。元々7人家族で、曾祖父母、祖父母、父、母と一緒に暮らしていたのですが、曾祖母が10年ほど家で寝たきりの状態で。その際、ケアマネージャーさんやヘルパーさん、デイサービスの職員さんなど、多くの方々が関わってくださっているのを見て、すごくかっこいいなと感じました。それが介護の仕事をしたいと思うようになったきっかけです。
- 立脇
- 大学2年の夏にはすでに進路を決め、新卒で現在の会社に入社しました。当初は向かいにある同系列のグループホームで勤務していましたが、出産を機に夜勤や早出が難しくなり、こちらのデイサービスに異動しました。2回の産休を経て、ここでの勤務が約5年半となり、トータルして現在13年目です。
- 立脇
- 基本的には生活相談員として働いています。ご利用者様一人ひとりにケアマネージャーさんが付き、その方がさまざまな施設を紹介してくださいます。その際に、私たち生活相談員が連絡を取り、デイサービスを利用していただくサポートをしています。ご利用者様とご家族様が安心してサービスを受けられるように、ご利用者様とご家族様、ケアマネージャーさんとの間に入る架け橋の役割を担っています。
- 立脇
- 7時半に出勤して、施設で朝の準備をします。その後、7時半過ぎには送迎に出発。ご利用者様は各地から来所されるため、神鍋や竹野、城崎、出石の方まで迎えに行きます。大体9時頃には施設に戻り、9時から12時ごろまで入浴介助を行います。その後、ご利用者様の介助やカルチャー活動の時間があります。
- 立脇
- ビーズや折り紙、ペン習字など、一日を楽しく過ごしていただけるサービスを提供しています。職員で内容を企画するのは少し大変ですが、多様なカルチャー活動を楽しんでいただいています。
- 立脇
- ダントツでお花のアレンジメントが人気です。綺麗にアレンジされたお花を持ち帰ることで、ご家族様との会話が弾んだり、またお亡くなりになった配偶者へのお供えとして飾られたりしているようです。夏場はお花がすぐに枯れてしまうため、このアレンジメントが大活躍しています。
~実際に、その日のカルチャー活動の様子を見せていただきました~
- 立脇
- そうですね。皆さん真剣に取り組まれていると、どうしても静かになりがちです(笑)。ご利用者様それぞれの手の動かせる範囲や度合いに合わせてお手伝いしています。それぞれの進度に寄り添いながら、カルチャー活動を楽しんでいただくことを大切にしています。
- 立脇
- そうですね。スタッフには明るくて気さくな人が多いです。看護師や介護士など様々な資格を持つスタッフもいますが、それ以上に、私たちはその場で臨機応変に連携することを大切にしています。資格の有無に関わらず、皆で協力し合って、最善のケアを提供できるよう心がけています。
- 立脇
- やっぱり、ご利用者様の笑顔や「ありがとう」という言葉をいただける瞬間が、一番嬉しいです。どんなに小さな動作でも、感謝の気持ちを伝えてくださるので。例えば、背中を洗うような基本的なケアでも、手が届かない部分をお手伝いすることで「ありがとう」と言ってもらえると、心から嬉しく感じます。こうした感謝の言葉が励みになりますし、毎日の仕事に対するやりがいを深めてくれます。
- 立脇
- 大変だと感じるのは、自分の思いをうまく伝えられない方の意図を汲み取ることです。ここにいらっしゃるご利用者様の7〜8割が認知症を抱えており、認知症や言語障害があると、伝えたい気持ちを完全に理解するのが難しいことがあります。お話しされても、その背後にある意図を汲み取るのが難しく、どうしてももどかしさを感じることがあります。
- 立脇
- ケアマネージャーさんやご家族様から過去の生活や家での口癖について伺うようにしています。そうすることで、ご利用者様とお話を重ねるうちに、「そういうことだったのか」と納得する瞬間が増え、やっぱりご利用者様と直接お話しすることが一番大切だと実感します。たとえ大きな声で怒られることがあっても、どんなに大変な状況でも、必ずしっかりと向き合い、お話しするよう心がけています。
【取材を終えて】
取材を通じて、立脇さんの穏やかで温かい雰囲気が心に残りました。入社当初、初めて会う利用者さんの顔と名前を覚えるのに苦労し、特徴を書き留めながら必死に覚えたというお話も印象的でした。立脇さんをはじめ、スタッフの皆さんは気さくな雰囲気を持ちながらも、どしっと構えた安心感がありました。取材時の排せつの介助中にアラームが鳴った際も、動じることなく冷静に対応される姿が非常に印象的でした。スタッフの皆さんの気さくさと真摯な姿勢が、利用者さんにとって安心して楽しく過ごせる場所をつくり上げていると感じました。
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