療育という仕事を通して、自分自身も成長する日々
森垣 耀介さん(もりがき ようすけ) 20歳
三和商事株式会社 SPARK
Uターンした年齢 19歳
こんにちは。飛んでるローカル豊岡で市民ライターをしているOKDこと岡田です。
海の京都・与謝野町出身。2017年に地域おこし協力隊として豊岡市に移住し、現在、公設市場で豊岡ゲストハウスHostelAct&もりめ食堂を運営しています。
今回取材に伺ったのは、三和商事株式会社です。1949年に石炭のエネルギー事業から始まった会社で、その後LPガス、石油、電気と時代に寄り添いながら事業を拡大し、近年は快適な暮らしのパートナーとして設備工事・リフォーム業など多角的に展開。2019年からは、児童の発達を支援する療育事業が始まりました。
今回は、その児童発達支援事業としてスタートした事業所、SPARK(スパーク)のスタッフ、森垣耀介(もりがき ようすけ) さんにお話しを伺いました。
※SPARK とは 脳科学と発達心理学に基づいて開発された療育メソッドです。SPARKで行っている運動療育は、豊かな環境と心に働きかけるアプローチで、「遊び」=積極的な運動とやり取りを持続させ、子供の感覚・感情の発達を促してコミュニケーション能力を高めます。
森垣耀介さんは、ご自身の経験から、運動をサポートできるような仕事ができればという気持ちから進路を決めました。ターニングポイントもありながら、なるべく経験を活かし、地元・豊岡で働きたいという気持ちで仕事を探し、今の職場に巡り合ったそうです。
お肌も若い印象を受けますが(笑)、会社に入られてからの期間と、年齢を教えてください。
- 森垣
- 会社に入らせてもらって、まだ1年くらいです。年齢は、二十歳になりました。
- 森垣
- 僕もSPARKで話を聞くまでは、療育について知りませんでした。実は、理学療法士を目指していて、それに近い仕事を探していたところ、療育という仕事を知りました。僕は小学生の頃からバスケットボールをずっとやっていたんですが、高校2年生の春休みに、傷めていた足首の手術をすることになり、1年間くらいは治療しながら活動していました。その時、理学療法士の方にアドバイスをうけて活動していて、僕自身がお世話になったこともあり、運動をサポートできるような仕事ができたらいいなという思いから、理学療法士を学べる専門学校へ進みました。ただ、2年生になる前にヘルニアになってしまって、実家に戻ってきました。ヘルニアは1か月ほどで治ったのですが、そのまま地元で働こうと思って仕事を探しました。なるべく体を動かせて、理学療法士に近いような仕事がいいなと思っていて、最終的に療育というお仕事の話を聞いて、とても興味が沸いたので応募し、採用していただきました。
- 森垣
- こられた最初の頃のお子さんは、野球やサッカーがうまくできないことが多いのですが、療育を通じて運動をしていくことで身体能力が上がって、野球のボールもうまく打てるようになるので、そんな時に「やっと打てたね!」って一緒に喜び合える瞬間がすごくうれしいです。
小さな成長ですけど、それが(子供たちには)大きくて、自分自身もやりがいを感じています。
- 森垣
- まず僕が、お子さんに対して、どんな運動をするか10個考えて「やってみる?」って聞くんですけど、興味を持って選んでもらえるのが1、2個なんです。ひとつもダメな時もあって、そんな時は他に、お子さんがやりたい遊びがあったりする。そういう時に、むずかしいなあって思うので、お子さんに合わせながら、個性を伸ばして行けるような運動を提案できるように、経験を積んでいきたいです。
- 森垣
- よく釣りに行ってます。保育園の頃から、釣りが好きで。釣りに関しては、恵まれている環境だなあって感じますね。
- 森垣
- 津居山とか、柴山とか、香住とか。車があるので、結構いろんな所に行きますね。遠くても、1時間ぐらいで着くので近いです。釣りに行くときは、ほとんど丸1日行ってます。
海や景色を見ながら釣りをしているというのもありますが、釣りはゆっくり長時間できるし、じっくりやっています。
あとは、服やファッションの買い物をする時なんかは、ドライブもかねて遠出して、神戸とか、三田とかに行くことが多いです。買うって決めてるものについては、ネットでも買うことはあります。
- 森垣
- キャンプ好きな人がいるので、休みに予定組んで一緒に行ったりしています。
- 森垣
- 地元の方が住みやすいイメージです。空気もきれいだし、都会だとゴミとか落ちてて、臭いが気になったりしました。
地元豊岡は静かで住みやすいですし、都市部に行ってまた戻ってきたら、そういうことがわかるのかなと思います。まわりの子たちも、地元で暮らしたいって言ってる子が多いです。同級生も地元がいいよって言ってるので、ファッション関連のショッピングを抜きにすれば(笑)とても暮らしやすいです。
フレッシュな印象の森垣さんですが、話し方はとてもやわらかく、丁寧でシャイな青年でした。生徒さんには、親戚のお兄ちゃんのように接されていて、飛んだり跳ねたり、時には、すごいね!やるね!と感情を伝えながら、60分の運動の中で、全力で子供たちと向き合われていました。
【取材を終えて】
高校生の時に芽生えた夢を叶えるため、地元を飛び出して学び、故障を乗り越えて彼のスタイルに合った仕事と巡りあった森垣さん。ローカルな町でも、一歩踏み込むと地場産業や農業、水産業、福祉や観光といったコンパクトでも多様な働き方があり、森垣さんのように、自分がやりたかったことが、意外にも地元で見つかることもあります。
今、社会人の方も、これから学校を卒業して働く方も、日々充実して過ごせるような働き方は何か、一度立ち止まって考えてみるのもよいかもしれませんね。