TOYOOKA WORK STYLE 豊岡就活応援BOOK2024
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TenaNakashmai i7 中嶋灯奈/学芸員/公益財団法人玄武洞ミュージアム体験を共有する 私の仕事は受付・展示の解説・企画展の開催・ワークショップの企画や運営・収蔵品の整理保管・但馬の地質に関する情報収集・広報・渡し船の運転など多岐にわたります。小型船舶の免許を持ち、来館される方を渡し船で送迎できる学芸員がいる博物館は珍しいと思います(笑) 展示を見るだけではなく、実際に触れたり、音を出したりできる体験ができるのも当館の特長。きなこ餅にそっくりな石を割るとキラキラの水晶の結晶が出てくる「ジオ―ド割り体験」や、伊丹にある鉱物カフェとコラボした紅茶・珈琲を企画販売するなど、好奇心を刺激する面白いワークショップや商品を企画しています。地学教育の普及 地学というと高校で初めて触れる人が大半ですよね。しかも選択教科の場合が多いので、興味があっても学ぶ機会は少ない学問……。少しでも地学に興味を持ってもらおうと、市内の高校での出張講座や館内での石を使った製作体験を開催しています。最近では年間パスポートで来館する方や、自分の持っている石を見てほしいと声をかけてくれる人も増えました。好奇心のカタマリのような小学生の男の子が、定期的に和田山から来てくれることも。地元から地学の研究者が育ってくれないかと期待しています。 海外に行くと、博物館と地域の子どもたちの距離が日本よりもさらに近く、身近な存在。日本もそんな風になったらいいなと思います。地学と多分野の橋わたし 但馬地域のフィールドワークの特長は、海・山・川の3つの距離が近く、観察できる対象の幅が非常に多くあることですね。 私たちの住んでいる豊岡の地場産業や地域で取れる農作物、海産物は地形・地質の影響を大きく受けています。そのことを知るだけでも、地学の面白さ、地球の不思議に触れることができると思います。 地学に興味を持ってもらうための、様々な分野とのつなぎ目を作り、少しでもたくさんの人に地学の面白さに気づくスイッチを入れることが私の仕事だと考えています。STYLE好奇心のスイッチたった1つの石から 子どものころから校庭で石を探すのが好きで、鉱物や地球の成り立ち、さらには宇宙の星々まで興味が広がりました。実家が鳥取にあり、玄武洞ミュージアムは両親に連れてきたもらった思い出の場所です。 大学で本格的に地学を学びだすと、1つの石から地球の大きな活動が見えてくる面白さにのめり込み「将来は博物館で地学の魅力を伝える仕事をしたい」と考えるように。 学芸員の募集は年に数件しかない狭き門ですが、大学院に在籍している時にこのミュージアムがリニューアルするタイミングで募集があり、学芸員になる夢が叶いました。ON

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